高品質なニットジャケットを手作業で仕上げる、Favorknits(フェイバニッツ)の挑戦
世の中に溢れる量産品の中で、Favorknitsが目指すのは、手作業による丁寧な仕上がりと、高い機能性を持つ一着のニットジャケットの提供です。市勢善浩代表は、従来のニット製品とは一線を画す製造プロセスを採用しています。反物から裁断せずに、編み機で一つ一つのパーツを編み上げるという画期的な方法を取り入れているのです。この方法には、端材の排出を最小限に抑えられるという大きなメリットがあります。また、編み立てた各パーツを手作業でループ状に繋ぐリンキング仕様によって、縫い代のごわつきがなく、動きやすい着心地を実現しています。さらに人体計測データに基づいた独自のサイズ設計と、成型編みの技術を駆使することで、スタイリッシュな立体シルエットを実現しています。Favorknitsのニットジャケットは、見た目の美しさと品質の高さ、そして着心地の良さを兼ね備えた、まさに洋服としての完成度の高さを感じさせるのです。
【新しい視点から捉えるモノづくりの王道】
ファッションはアート以上に、時代を映し出す鏡だと言えるかもしれません。一般に洋服は単に身につけるためのものと考えられがちですが、その背景にある製造プロセスには、時代の価値観や技術の進化が反映されています。そんなモノづくりの現場に潜入し、今を代表する逸品をつくり出す企業の取り組みを見ていくのは、まさに時代の最先端に触れるような体験となるでしょう。
本記事で取り上げるのは、ニットジャケットの分野で高い評価を得ている「Favorknits(フェイバニッツ)」。同社の代表、市勢善浩氏に、製品づくりのこだわりについて詳しく話を聞きました。一般的なニットウェアの製造では、反物を裁断してパーツを作り上げていくのが一般的ですが、Favorknitsでは編機を使ってそれぞれのパーツを編み上げる独自の方式を採用しています。この方式の最大の利点は、裁断ロスがゼロに近いというところ。反物を切り出す際に発生する端材が出ないため、無駄なリソースを削減できるのです。さらに、編み上げた各パーツをひとつひとつ丁寧にループでつなぐリンキング仕様を採用しているため、伸縮性が高く、動きやすさにも優れています。
【ニーズに寄り添う上質な品質】
Favorknitsの製品設計には、さらなる工夫が凝らされています。3次元人体計測システムを使って100人のミドル世代男性を計測し、独自のサイズ設計を開発。さらに、立体的な仕上がりを実現する成型編みも駆使し、ウエストやバックのカーブにぴったりフィットする立体的なシルエットを実現しているのです。こうした徹底したこだわりが、動きやすさと上質なデザインを両立したニットジャケットの誕生につながっています。そして、その製造工程のほぼ全てを日本で行うことで、高い品質と信頼性を確保しているのも特徴的です。
時代とともに変化する人々のニーズに応える製品づくりは、まさに職人の真髄と言えるでしょう。Favorknitsが実践する、余剰を極小化しつつ使い勝手と意匠性を両立させる「新しい視点からのモノづくり」は、これからの時代に求められる価値観を体現したものと言えるかもしれません。
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